<政治的思考および政治的本能は、理論的にも実際的にも、友・敵を区別する能力によって実証される。重大な政治のクライマックスは同時に、敵が具体的な明瞭さで敵として認識される時点なのである。/これは逆にもいえる。すなわち、国際政治・国内政治の区別なく、政治史上いたるところにおいて、この〔友・敵の〕区別をなしえず、ないしはなしたがらないことが、政治的終末の徴候としてあらわれる。>[84-86]
■シュミットによれば、このような「政治的なもの」=「友・敵」の対立の帰結として典型的なのが戦争であるとされる。そしてそのような<例外状態>を収束させるべく「決断」を下すのが、「主権者」としての「国家」に他ならない。